劇団KAZUMAお芝居「小仏峰五郎」

2013.9.15 夜の部@浅草木馬館

続けて、夜!

初めて観た「小仏峰五郎」。
主人公の峰五郎(冴刃竜也さん)が、飯岡一家に妻・お繁(香月友華さん)を蹴り殺され、飯岡への仇討ちを果たすお話。
でも、仇討ちの場面そのものは長くもなくアッサリしていた。

むしろお話の焦点は、仇討ちの前に、「峰五郎の後顧の憂いを取り除く」ことにある。
かつて峰五郎は、笹川繁蔵親分(藤美一馬座長)の一家に草鞋を脱いでいた。
その縁で、笹川一家があれこれと遠回りなお世話を焼いて、峰五郎の赤ん坊を引き取ってやるのだ。

笹川一家の若い衆・「火の玉啓介」(藤美真の助さん)の面白さが抜群に光る!(啓介の字は当て字)
この日の真の助さんには、ものすごく気持ちよく笑った。

写真・藤美真の助さん(当日舞踊ショーより)

まなざしの優しさが伝わってくると思ったら。


同じ一曲の中でこんな表情をされる(笑)

さて、啓介はちょっと阿呆なのんきもの。
兄貴分である合川の兄貴(柚姫将さん)は、啓介に峰五郎の赤ん坊を見つけさせようと仕向ける。
「おい啓介、俺は兄貴からここを守るように言われてるから動けねえ。お前、俺の代わりに小便行って来てくれ」
という無茶な注文にも、
「わかりやした、頑張ってきます!」
と、啓介は勇んで立ち小便をしに表へ出る。
そしてその最中に、合川がこっそり寝かせておいた赤ん坊を発見する。
「俺の小便から赤ん坊が生まれました!俺が産んだんです!」
と大騒ぎ。

「泡から生まれたから、泡太郎だな」
「泡太郎は俺が産んだんだから俺が育てます」
と啓介は主張するも、泡太郎(仮)は繁蔵親分が引き取ることになる。
「泡太郎、泡よ…」
啓介が真剣に赤ん坊に呼びかけ、親子の別れを行う場面のシュールさ。
照明はバッチリ暗く、赤ん坊の人形を抱えた真の助さんの姿のみが切なげに浮かび上がり、真の助さんの朗々とした声が響く。
「泡太郎、お前に親として何もしてやれなかったが、親分に可愛がってもらうんだぞ…」
なんだこの光景は(笑)

啓介は全編通して面白いけど、合川との絡みで言えば、もう一つ秀逸な場面があった。
合川は峰五郎の助太刀に行こうとするが、重蔵親分に止められる。
「どうしても助太刀に行きたければ、親子の杯を水にして、俺の刀をまたいで行きな」
と、刀を家の敷居の上に置かれてしまう。
悩む合川に、啓介は事もなげに言う。
「刀をまたがなくても、敷居を越える方法があるじゃないですか」
教えてくれ、と嘆願する合川に、啓介はここぞとばかりにしたり顔。
「こういう風に頼んでくれれば教えますよ」

派手にダッシュ、ジャンプ、くるんくるんと数回転した上で、
「啓介のお兄さん、教えておくんなせえ!」
(真の助さんの機敏さが際立つのだこれが)

見本を見せて、これを合川にやれと言ったまではよかったが。
「悪い啓介、見てなかった。もう一回やってくれ」
多少疲れた啓介が、再度やってみせると。
「お前の言葉だけ覚えようと集中してて、動き見てなかった。もう一回やってくれ」
嫌がらせか!という程、啓介による見本が繰り返される。
真の助さんが段々本当にヘロヘロになっていくし(笑)
絶妙のタイミングで、
合川「飛べねえ豚は?」
啓介「ただの豚だ」
てなセリフが挿入されたときには爆笑してしまった。

真の助さんのお芝居について、今までちゃんと語ることがなかったな。
真面目なお芝居のときは敵役や子分、喜劇のときは三枚目が多い。
体格の良さと敏捷な動き。
他の誰より真の助さんが舞台に出ると、ああKAZUMAのお芝居を観に来たんだなぁという感慨がある。

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