劇団KAZUMA お江戸の初日舞台模様&お芝居「若き日の石松」

2013.9.1 昼の部@浅草木馬館

ああ、嬉しい。
2012年7月の出会いから、たった一年でお江戸へ戻って来てくれるなんて。
そしてその初日公演に行けるなんて。
また、浅草木馬館の客席で、太鼓ショーを観ながら手拍子していられるなんて。
とにかく、嬉しいなぁ。

待ちに待った、9月1日。
第一部ミニショーの幕が開くと、そこにいてくれたのは。
藤美真の助さん、龍美佑馬さん、林愛次郎さん、冴刃竜也さん、それに私にとって大衆演劇の入口だった役者・柚姫将さん。
みっちり満員の観客席から、懐かしさ混じりの歓声と、割れんばかりの拍手。
私も興奮にまかせて、力いっぱい拍手を送った。
一年ぶりに、この木馬館の舞台に劇団KAZUMAがいる!

五人が集団舞踊で魅せてくれた後。
藤美一馬座長が登場すると、観客席から渦を巻くような歓声が沸いた。
そのイントロが、五月に広島・夢劇場で観て感動した「銀座のトンビ」だったので、私はやっぱり嬉しいのなんの。

写真・藤美一馬座長(当日ミニショー「銀座のトンビ」より)


劇団KAZUMAに限らず、初日公演って私はあんまり行けたことがないんだけど。
9月1日の木馬館客席にうねっていた歓びは、初日ならでは味わえたものだったんじゃないだろうか。
わぁーっ、だったり、キャー、だったり、待ち侘びていたことを示すかのような。
だって、こんなに早く来てくれると思っていなかったもの。
2012年東京公演の前に、劇団KAZUMAが来たのは2008年。
また、四年くらいの辛抱かと思ってたもの。

私自身、まだ夏真っ盛りの頃、東京再来を知ったときの驚きと幸福感といったら!
早速KAZUMAファンの観劇仲間にメールして、思いがけない早い再会を喜びあった。

さて、初日のお芝居は「若き日の石松」。
森の石松がまだヤクザになる前、福田屋の跡取り息子だった頃のお話。
藤美一馬座長の石松役は、石松の吃音をかなり強調していてユーモラスだった。
「お、俺、が、話、つけ、つけてやらぁ」
なんて風に。
吃音が、一馬座長の繊細な面差しに適度な崩れ感をもたらして、石松の愚直なキャラクターを仕上げる。

なんと言ってもラッキーだったのは、初っ端から将さんの、「全力の二面性」が観られたこと(将さんのお芝居の魅力は昨年十二月の記事でも語っています)。

写真・柚姫将さん(当日舞踊ショーより)


今回の将さんの役どころは、森町のやくざ一家の一つ・しんがりの又八親分。
序盤の親分は、機嫌良くニコニコ顔だ。
妹のお花(霞ゆうかさん)と、気風の良い男だと信頼している石松の縁談がまとまりそうだからだ。
石松の父親(ゲストの美影愛さん)には、
「もう縁談について細かいところまで考えてくださって、本当にありがとうございます」
と平身低頭。
「俺みたいなやくざの妹が、かたぎの嫁になれるとは…それも相手が石さんとあれば、安心だ」
と優しげな声でしみじみ一人ごちる。

だが又八親分は、子分たちの些細な嘘がきっかけで、石松と敵対することになる。
石松を敵と認識した途端、将さんの声のトーンがふっと落ちる。
「やくざの怖さを、舐めねえほうがいい…」
信頼していたはずの石松を、冷徹な目でねめつける。
少し前の場面まで醸していた温もりが、一瞬で逃げていく。

ああ、これだ。
全力の白と黒の顔、これが観たかったんだ。

それからいま一人。
今月いっぱいKAZUMAにいらっしゃるという、ゲストの美影愛さん。

写真・美影愛さん(当日舞踊ショーより)


「若き日の石松」では、石松の父親役。
「石松、どんなに出来が悪くても、お前は私の子だ。お前のためなら私はね、福田屋も捨てよう」
「お前が本当にやくざになるのなら、あれが石松親分かと世間に言われるような、立派なやくざになってもらいたい」
無鉄砲な息子に対する、慈しみの深さが胸に残る。
それに、まるでお茶飲み話をしているような伸びやかな語り口。
一方、舞踊ショーの個人舞踊では、表情豊かに粋な男を演じられていた。

一馬座長は「美影さんにはうちのお芝居を締めていただきたい」と語っていた。
この熟練の方が入ることで、KAZUMAのお芝居にはどんな新たな色が染み出すのだろう。
そんな新たな楽しみもできた。

今回は劇団KAZUMAの東京公演スタートを祝して、お芝居のみならず初日公演全体の感想を書いてみた。
次回から普段通りお芝居中心の感想になる予定。

いつもの東京メトロ浅草駅に降り立って、木馬館に駆けつけて、「藤美一馬」の幟が立っていたとき、胸一杯に込み上げた諸々。
旅役者の皆さんはいつも移動しているので、あんまり響かないかもしれないけど。
東京在住ファンからすると、やっぱりこの一言、どうしても伝えたい。

おかえりなさい!

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コメント

スゴイ(。。;)

こんにちは。

初めまして。
今年の7月に大衆演劇を初めて見て‥劇団KAZUMAさんに嵌まった者です。

6月に叔母と母が‥通うようになり‥7月に私も‥8月には‥姪っ子甥っ子もと‥嵌まっております。

9月より東京の地での公演と言う事で‥少し寂しいのですが‥11月には神戸にいらっしゃるとの事でして‥

叔母と母は定期を買って、神戸に通うと(≧▽≦)

私は、お仕事もありまして中々ではありますが‥楽しみにしております。

ブログ拝読致しまして‥
嬉しい!と思いコメントさせて頂きました。

劇団さんのお芝居の内容の文面‥読んでいて目に浮かび、泣いてしまいました。

まだ‥劇団KAZUMAさんだけ知ったところなのですが‥

今月は‥京橋に市川さんの劇団さんいらしてるとの事‥見に行ってみようと思います。

これよりのブログも楽しみにしております(≧▽≦)
特に!劇団KAZUMAさん!

本当に嬉しいです。
ありがとうございます。

ではでは‥また(≧▽≦)

Re: スゴイ(。。;)

>いでっち様

いらっしゃいませ。コメント、ありがとうございます!

この7月に大衆演劇に出会われたのですね(*^_^*)
私はちょうどその1年前の7月から、劇団KAZUMAを入口に大衆演劇の世界にどっぷりつかっています。
大衆演劇、楽しいですよねぇ…
もう、週末の使い方が1年前からまるっと変わってしまった感じです(笑)
色んな劇団さんを観るほど、色んな話を聞くほど、どんどん深みが増していくような…

<読んでいて目に浮かび、泣いてしまいました>とのお言葉、本当に嬉しいです。
書いている甲斐があります。
劇団KAZUMAのお芝居は、独特の生っぽい温もりがあって、涙腺を刺激されっぱなしです。

言われて気付いたのですが、今月の京橋が英儒座長なんですね!
英儒座長、昨年KAZUMAのゲストで観た、粋な「カサブランカ・ダンディ」の踊りが忘れられません。

今後も楽しく更新して参ります。
いでっち様も良い観劇ライフを♪

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