たつみ演劇BOXお芝居「慌ての安太郎」

2013.8.5 夜の部@篠原演芸場

この7月、知人を一人観劇仲間にすることができた。やったね!
彼女はこれまで大衆演劇の「ベタさ」をあんまり好んでこなかった(私はそこが好きなんだけど)。
が、小泉たつみ座長にはハマったとのこと。
その理由を述べていわく、

「お喋りがとにかくうますぎる!」

私も、たつみ座長の何に驚いたって、その話芸の達者ぶりだ。
噂に名高い座長さんだし、芝居・踊りがすごかろうというのはある程度想定していた。
でも、あんなに話し上手とは、予想外なプラスアルファ。
口上一つとっても、この夏後楽園遊園地に行った話、新しいアイラインに替えた話、銭湯で本物の極道の方と仲良くなった話…
面白エピソードが何か入っていて、しかも声が聴きやすいものだから、ずっと話を聴いていたいような気がする。

写真・小泉たつみ座長(当日舞踊ショーより)


そのお喋り術がよどみなく発揮されていたお芝居が、「慌ての安太郎」。
当日お外題を聞いて、ああ、4月に剣戟はる駒座で観た「慌て烏の子守唄」かと気づいた(鑑賞録の記事)。
旅烏の安太郎が、偶然うどん屋の赤ん坊を託されて、赤ん坊の叔母にあたる女博打打ち・稲妻のおしんを探し当てるまでのお話だ。

しかし、津川竜座長演じる主人公・安太郎と、たつみ座長が演じるそれは全く別人だった。
どっちも、根っこの優しい慌て者という点は一緒だけど。
竜座長の安太郎が、吃音ゆえに、せわしなく動作でコミュニケーションすることで、ユーモラスなキャラクター像を創っていたのと対照的に。

たつみ座長の安太郎は、とにかく喋る、喋る、マシンガントーク。

「あれ、なんでここだけ雨降ってないの?不思議な事もあるもんだなぁ…え、店の中だから?まさか、俺は店になんか入った覚えないよ。……あ、ホントだ、いつの間にか店に入ってたよ!ここ、中だったのか!どうりで、雨が急にやんだなぁと思ったんだ」

冒頭の場面、雷に追われてうどん屋に飛び込んでおきながら、本人はそれを自覚していないのが可笑しい。

うどん屋の主人がかつての兄弟分に裏切られて死ぬ場面でも、
「あんた、全然立てるじゃん!死にそうどころか立てるじゃん!」
とか安太郎がサクサク突っ込むものだから、主人を演じる愛飢男さんもなかなか死ねない(笑)

あと、このお芝居の見どころといったら、稲妻のおしん。
女博打打ちという、大衆演劇でもあんまり見ないような役どころ。
はる駒座では津川鶫汀副座長が、粋な女形芝居で魅せていた。
さて、たつみ演劇BOXでは…?

「私、稲妻のおしんという者でございます」

と、辰巳小龍さんが舞台に駆け現れた瞬間。
美しくて、いなせで、傷を負った姿がまたかっこよくて。
客席で、私、倒れるかと思いました…
いや、本気で(真顔)。
もう小龍さんについては、どんな言葉を用意しても追いつかないわ…

今回はたつみ座長の話芸について語るはずだったのに、気づくと小龍さんに言及してしまうな。
恐るべき辰巳小龍の磁力。

そして、三兄弟のいま一人、小泉ダイヤ座長。
これまではどちらかというと、小龍さんは言わずもがな、たつみ座長のしなやかな技巧に吸い寄せられてきたのだけど。
この次の週末の観劇では、遅まきながらダイヤ座長の魅力をたっぷり味わうことができたので、気合いを入れて書こうと思います。

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