劇団花吹雪お芝居「兄の真心」


2012.11.9夜の部@湯宴ランド小岩
お芝居「兄の真心」


写真・桜京之介三代目座長(11/10舞踊ショーより)



こういうお芝居を観たかったの。
優しい物語を観たかったの。
初鑑賞の劇団花吹雪は、それはそれは優しい人情喜劇を見せてくれました。

舞台はどこかの浜の村。
兄の定吉(桜京之介三代目座長)と妹の直江(小春かおりさん)は二親に死に別れた、二人きりの兄妹。
直江は器量悪し、おまけに頭のほうも少々…。
ある日、直江の許嫁・多三郎(桜春之丞座長)が長崎で医学を修めて浜へ帰って来る。
定吉は、立派な医者になった多三郎と直江では釣り合わない、最後に悲しい思いをするのは直江だと思い、なんとかして直江に多三郎を諦めさせようとする。

なんと言っても、定吉と直江の兄妹の空気感がたまらない!
定吉は妹に対して
「頭は悪いし、不細工、おまけに貧乏、悪いことが三つも揃うとる!」
とか、
「お前は腐った柿だ」
とか、もう散々言う。
怒鳴る、責める、叱り飛ばす。

でも、ため息ついて「おいで」と直江を手招きするときの声に、妹への愛情がこれでもかというくらい詰まっている。
芝居の随所随所で、妹のために定吉がこれまで骨を折って来たことが明かされるけど、そんなのなくたってわかるくらい。
ああもうしゃあないわ、こいつはどうしようもないわ、ほんまにもう。
そんなぶつくさが聞こえてきそうな表情で、それでも直江の手を引いていくお兄ちゃんの姿には泣けるものがありました。

そして直江。
小春かおりさんの演技はすごかった。
頭が良くないというか、要するに中身が幼子のままなのだ。
大人の体に子どもの心。
だから直江は、泣く時は100%で泣く。笑う時は100%で笑う。
気取りのないてらいのない、顔の筋肉全部使った100%の感情が、小さな体から爆ぜる!

「たさやん(多三郎)にお酒買うてくるー!」
「たさやんと一緒になるー!」
「(多三郎を諦めろと)二度と言うなよ!」
直江が大声で喋るたび、場が染まる。

あの全力の笑顔で「一緒になるー!」って言われたら、そりゃあお兄ちゃん、諭すのは無理でしょう。
そりゃあお兄ちゃん、馬鹿な子ほど可愛いでしょう。

結局この直江は、美しい心を持つ多三郎に心底愛されて夫婦になる。
兄の苦労も報われ、大団円で幕は下りる。

優しい、明るい、温かい、お芝居らしいお芝居。
それを全くのファンタジーだと感じさせないところが、この劇団の演技力なんだろうな。

これから、花吹雪さんは2月まで東京にいてくださるみたいです。
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