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幸福なヒロイン ―劇団天華・沢村玲華さんのこと― 

まるでレトロな少女漫画から飛び出してきたよう!
天華さんちの玲華さんは、とにもかくにも可愛いカワイイ、観ているだけで幸せになっちゃうパワーガール。大人の女性でありながら、少女の純粋が輪郭に透き通る、不思議な役者さんでもある。



この6月も、玲華さんの少女性が生きる娘役・ヒロイン役を、いくつも観ることができた。

たとえば『喧嘩屋五郎兵衛』では、騒動の原因になってしまうお嬢さんの役。お嬢さんが、助けてくれた伊之助(龍聖さん)相手に照れて振袖で口元隠しつつ、「おおきに、おおきに」と花道を駆けていく可憐さを見ると…。
こんな女性なら、結果的に悲劇を引き起こしても仕方ないかな…?!と思わせる。その毒気のなさが、逆に『五郎兵衛』というお話の悲劇性を際立たせているのも面白い!

メインの役を務められているお芝居の一つが『紅い梅白い梅』。序幕で、亭主の藤吉(千夜座長)と語らっているお梅。
「おら、町のお医者へ行っても、この目が開くことなんて期待してなかった。ただ藤吉と一緒に旅をしているみたいで、すごく楽しかったんだぁ…」
玲華さん、ピュ、ピュア~~!
ニコニコの表情も声色も、大好きな亭主といて幸せいっぱい。こちらの心がぶっ飛ぶ圧倒的なピュアネスである。

『夕霧小僧』のお登勢は、兄弟を思いやる優しい娘ぶりが弟(春香さん)の孤独を包み込むようだった。また『三人出世』のおもんちゃんは、友(千夜座長)と波打ち際でたわむれる体で、じゃれる様が可愛かった(笑)

でもこの役者さんの本質は、「少女」「可憐」「ピュア」という柔らかな枠の外にあるのだと思う。
玲華さんが作り込んでいる、個人舞踊の5分間。そこで表現される“沢村玲華”の世界は、かなり激しい。

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【愛をする人】愛しい首を抱いた女。サロメを彷彿させる。

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【恋する地縛霊】ちょこっとホラー風味。黒い口紅が死者っぽい。

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酒瓶抱えた酔っぱらい男🍶こんな舞踊もされるのかー!とびっくり。

2年前に劇団天華に入団された玲華さん。彼女の舞台から伝わってくるのは、“演じること”への燃えるような執着だ。

今月、改めてそう思ったのが『籠釣瓶』。役は八ツ橋(千夜座長)の女郎仲間の一人で、役名や台詞はなかった。
でも八ツ橋の愛想づかしの場面。他の女郎たちと並んで舞台上手に座った玲華さんは、舞台中央の八ツ橋・次郎左衛門のやり取りに、絶えず反応していた。八ツ橋の残酷な言葉に驚いたり、泣きそうな表情になったり。スポットライトの外でずっとお芝居されていた。

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強く印象に残った個人舞踊。何かを探し求めて、失って、でも最後にはまだ希望に手を伸ばそうとする。そんな風に見えた。

心の淵からこぼれ出す感情全部を、自分の体ひとつで演じるって、ただただ魅力的なこと。玲華さんという役者さんは、私にとってその喜びを教え続けてくれる人である。

群舞のとき、座長や花形の後ろでノリノリで踊っている玲華さんが大好きだ。華奢な体が跳び跳ねて、舞台に立ってて幸せ!と歌い出すみたいだ。
2年前、一人でやって来た可憐なヒロイン。激しいヒロイン。  

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幸福なヒロインであれ。

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コメント

千秋楽に行ってきました。
私の知ってる玲ちゃんはいつも楽しそうに幸せそうに踊っていました。
どんな小さなお役でも丁寧に大切に演じていました。
久しぶりに見る玲ちゃんは、キラキラオーラを身につけ舞い、お芝居は格段にお上手になっていました。
お萩さんが玲ちゃんを見つけてくれ紹介してくれチャンスがめぐってきました。
可愛らしい女優さんから素敵な女優さんになった玲ちゃん。
また三吉に戻ってくるまでお萩さん、玲ちゃんをよろしくお願いします。

Re:

温かなコメント、ありがとうございます。
玲華さんへの愛情を一言一言に込めていらして、心にしみました。
踊りを大切に、役を大切に…。ずっとそうやって舞台に立ってこられたのですね。

玲華さん、思わず惹き込まれるストーリー性の強い舞踊を次々作っておられます。小道具の使い方が抜群!といつも思います。感想を書かずにいられません🌸
かけがえのない世界観を持った、努力の人だと感じます。
また早く、関東へ戻ってこられますように。

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