劇団花吹雪お芝居「踏切番」②京之介座長の弟分役

2013.2.3 昼の部@篠原演芸場

写真・桜京之介座長(2/3顔見せショーより)

舞踊のときはこんなに男前な京之介座長、
お芝居ではどーんと笑わせてくれました。

前回の記事では「踏切番」の本筋を追ったけど、今回はある意味脱線部分。
いや、むしろこっちが本筋なのか?

社長に見染められて結婚する!
というニュースを持ってきた芸者の清香、驚く兄の彰人。
兄妹が真剣に話をしているのに。
後ろから、

「そうだと思ったわ~」
「よかったなぁ!」
「すごいやん!」

茶々を入れる奴がいる。
彰人の弟分の踏切番(桜京之介座長)で、役名は出てこない。

春之丞さん演じる兄貴分に、
「お前はいちいちうるさい!」
と怒鳴られようが叱られようが、鹿の角に蜂。
しれっと大きな目玉を瞬かせて、いつの間にか場は彼のペース。

お芝居の一番初めから、この弟分は大騒ぎをもたらす。
自殺しようとしている女性を助けに、兄貴分が踏切に入ったのを見て、
「兄貴が自殺してもうた!」
と思い込む。
兄貴分の妻(桜愛之介さん)を呼びつけ、自殺の心当たりを問いただすと。

「そういえば今朝、『たまには肉が食いたい』って言ったから、『あんたの安月給で食えるわけないでしょ』って言ったけど…」
「原因はそれや。肉食いたい思うて、憎(にく)らしい言うて死んだんや」

そんなアホな。
そしてベタな。
でも京之介さんが言うと、ホントに真剣に言っているように聞こえるから、やたら可笑しい。

さて、清香が訪ねてきた場面まで戻そう。
兄妹二人きりで話がしたいと言っているのに。
「大丈夫です。そこは空気読みます。KYだけどそこは読める!」
と自信たっぷりに言って、奥に引っ込んだかと思いきや。

おもむろに立ち上がる兄貴分。
すぱーん、と勢いよく開けられた引き戸の向こうには。
案の定、戸に張り付いた聞き耳!
当然、すぽーん、と景気良くはたかれるわけです(笑)

清香を社長と未練なく別れさせるため、彰人は一計を案じる。
弟分に、清香の隠していた男であるという芝居を打たせるのだ。
それも、刑務所を出たばかりのヤクザ者の設定で。

ヤクザの演技の稽古を経て(この稽古風景がまた面白いんだけど)、
いざ芝居を打とうと社長宅に押し掛けると。
社長と懇意の男(桜京誉さん)が、厳めしい様相で座っていた。
男を見た京之介さんの台詞。

「ほんまもんのヤクザおるやないですか!」

これは、もうこれは(笑)
今思い返すだに笑える、白眉の一言(と言っていいのか?)。

京之介さんの底抜けに明るい笑顔を堪能できる「弟分」は、
物語をくるくる引っ掻き回すトリックスター。
そして、悲しいはずのお芝居に笑いをもたらす、休憩所のようなキャラクター。
ああー、笑った。

少々余談。
この日の観劇は、何度か大衆演劇に誘ったことのある友人と一緒でした。
観終えた彼女の一言。
「今まで観た中で、一番面白かった」
やっぱりすごいなぁ、花吹雪。

万人の心に響く、その舞台をお江戸で観られるのは今月限り。
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