劇団花吹雪お芝居「おとめ与三郎」①春之丞座長のおとめ役

2013.1.26 夜の部@浅草木馬館

写真・桜春之丞座長(1/26舞踊ショーより)


写真はラストショーでのもの。
ラストショーは花魁だというのでさぞ豪華絢爛なお着物と楽しみにしていたけれど、
まさかウェディングドレス風で来るとは。
そして曲がCan you celebrate?だとは。
ゆらゆら幻想の中踊る花魁、というか花嫁姿を観ていると、
……あれ、花魁ショーってこういうののことだっけ?
ていうか私今何を観てるんだっけ?(笑)
やっぱり、毎度のことだけどすごいものを観てしまった。

しかし、お芝居での春之丞座長の役は、美極まりない写真のお姿とは真逆も真逆。
ドがつくほどの三枚目、しかも女性役!

あらすじ…大事な家のお金をすられ、死のうとしていた与三郎(桜京之介座長)。
芸者のお富(小春かおりさん)は憐れんで、与三郎にお金を貸す。
二人はお富の年季が明けたら一緒になろうと約束する。

三年後、お富の店で働く男(桜愛之介さん)は「おとめ」という女性を探していた。
見つけたおとめ(桜春之丞座長)は貧乏な夜鷹。
そこへ持ち掛けられる儲け話。
お富の年季は明けたが、三年も経った今、与三郎の気持ちが変わっていないとも限らない。
そこで名前のそっくりなおとめに、お富に成り変わって与三郎の気持ちを確かめる芝居を打ってほしいという。

この、おとめのあまりにも強烈なキャラクター。
くるりと振り向くだけで、客席爆笑。
重量のありそうな緑のつけまつげ、顔の下半分がてかてか光るグロス、
そして右の鼻の穴からひらひら揺れるティッシュ(笑)
鼻が詰まってるゆえに、喋る言葉は、
「あたひ、ひっはおはんはへへない」(あたし、三日ご飯食べてない)
なんて調子。
正直、最初春之丞座長だってわからなかった…。

おとめは見た目もえげつないけど性格もえげつない。
愛之介さん演じる男が、
「私はお客さんではなくて…」
言った瞬間、
「お客さんじゃない?帰れ!」
成り変わり仕事の話を説明しようとすれば、不満げに
「あたひ、座ってる。あんた、偉そうに立ってる。座って」
仕事の前金をもらった直後だというのに、
「ご飯おごって。手引いて連れてって」

もう、おとめが一つ喋れば一つ波乱、
一つ動けば一つ騒動。

それでも仕事は一応きっちりやります。
訪ねていった与三郎の実家。
居たのは与三郎の父(寿美英二さん)と母(桜京誉さん)。
おとめの姿を見た二人は、
「なんで息子はこんなのと言い交したんだ…」
と呆気にとられる。
そしておとめを追い返すために嘘をつく。

「与三郎は死にました」
「浅草寺にお参りしている間に、上から落ちてきたハトの糞が耳と鼻と口に詰まって」
「ハト糞窒息病です」(←個人的には最大に笑ったところ)

おとめの性格からして、なら仕事は終わったとお金もらって帰るんだろうなぁ…と思っていたら。
「墓参り、したい」
「お墓の場所、教えて」
おや?
そして教えられた嘘のお寺へ、愛之介さんと連れだっててくてくお墓参り。

うん、おとめのキャラクターは確かにえげつないんだけど。
後半見慣れるにつれ、ぽろりと零れる情けのかけら。

たとえば終盤、結局生きていた与三郎と、本物のお富が再会する場面。
お富に惚れていた間男(桜梁太郎さん)が乱入し、短刀を振り回して場は戦慄。

そこへひょいっとおとめが飛び込み、短刀を奪って、間男の股の間にぶすっ。
「行きなはい行きなはい」
と、与三郎とお富を逃がしてあげる。

もう仕事は終わって、何の関係もないはずなのに。
当たり前~って顔して、さらり介入、結果的に人助け。

こんな一面があるもんだから、ティッシュ突っ込んだ顔も、見慣れたら可愛く思えてきたぞ。
春之丞さんの七色演技は、てかてかグロス色でも、やっぱりただの塗りたくった三枚目ではないようです。
わお!(←最近春之丞さんが言うのをよく聞く笑)

そしてこのお芝居ではもう一つ、たまらない見どころがあったので続きは次回!
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