柚姫将座長 個人舞踊「越後獅子の唄」(劇団KAZUMA)

2015.9.19 昼の部@東海健康センター「平針座」

のどやかで。
すこやかで。
キレの良い体から、“今”への喜びが明るく発散される舞踊。
柚姫将さんという役者さんの持つものは、本当に唯一無二なのだと改めて思った。

あ、まずタイトルに注目。
いつもにこやかな副座長が今月は座長です!
Twitterで流れてきた「柚姫座長」っていう言葉を見ただけで感動した…
(9月東海健康センター公演は、柚姫将副座長・冴刃竜也副座長・「劇団千咲」千咲大介座長の3人が座長という体制です。藤美一馬座長は太夫元という形で、不在だったり出られることもあったり)

初めての東海健康センターへ、またデッカイキャリーを引いてやって参りました。
そして遠征初日の昼の部で、いきなり目を見張ることになった。

将さんの立ちの個人舞踊は「越後獅子の唄」。
イントロを聴いて、ああ越後獅子だ、哀愁と郷愁の絵が観られるんだなぁ…と既に幸福。

――わたしゃみなし子 街道ぐらし
ながれながれの 越後獅子――


序盤は曲の通り、表情は厳しく、風情は寂しく。
CIMG1309.jpg

でも、ここからゴロリと転調する。
フワっと楽しそうに笑んだかと思うと。
曲のテンポが軽快になり、リズミカルに歌い上げられる「越後獅子の唄」!

さっきの寂しさは消えて、勢いよく足が舞台を踏み鳴らす。
小さな舞台を駆け回るみたいな舞踊になった。
喜びへ向かう笑顔は、寂寞たる道に何か光を発見したかのようだ。

――親方さんに 芸がまずいと 叱られて
撥でぶたれて 空見上げれば――


この辺は将さんらしい“撥でぶたれる”当て振りも入るのだけど。
それも痛々しい感じというより、スパイスを効かせる小芝居みたいに見えた。
舞台端の出っ張りまで駆けて行って、扇子をくるくると回す。
とにかくキレと、勢いと、弾ける喜び。
それでいて、全体の雰囲気はほのぼのと凪いでいるのだ。

――暮れて恋しい 宿屋の灯
遠く眺めて ひと踊り――


寂しさの吹き抜ける歌詞だからこそ、なおさら、明るい調子のメロディと踊り手の笑顔が際立つ。

CIMG1313.jpg

6月の横浜・三吉演芸場公演で、初めて将さんを観た友人が、
「イキの良さはピカ一」
と言っていたのを思い出した。

イキ。活き。生き。
沸き上がる生命力が、常にほんのりと明るい。
それは演じている部分ももちろんあるのだろうけど、生来、この役者さんの根っこに光る持ち味でもあるのじゃないか。

ラスト、扇子をパチンと閉じて破顔一笑。



この健やかさ、です。
将さんの明るい舞踊を観ると嬉しくなるのは。
“今ここに在ること”そのものへの喜びが、とても素朴な温度で手渡されているからじゃあないか…。

随分大きな言葉で語ってしまった気もするけど、それは贔屓の性ということで。
良いもの見せていただきました、柚姫座長!
…“柚姫座長”って自分で書いても感動するなぁ(笑)

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