たつみ演劇BOXお芝居「伊達の新三」

2014.7.19 昼の部@八尾グランドホテル

つい、“たつみん”と呼ぶ。
小泉たつみ座長について、観劇仲間と語るとき、口を突いて出る。
文章に落としこむと、たつみさん、たつみ座長と自然に書けるけど。
「こないだ、大阪でどこ見て来たの?」
「たつみんのところ」
友達に聞かれると、なぜかこの気楽な呼び方がしっくり来る。
あの貴公子然としたお顔に、どこかのんびりした陽気さが漂っているためかな?

写真・小泉たつみ座長(当日個人舞踊「天城越え」より)


先月に引き続き、はるばるやってきた八尾グランドホテル。
今回は、大のたつみさんファンの連れにひっつくようにして。
3連休初日のお芝居「伊達の新三」は、連れがものすごく気に入ったらしく、「絶対ブログ書いて!」と強く推されたので、今PCに向かっています。
でも、私もこのお話はとても好きだ。

序幕の「おでん屋」の展開がとにかく楽しい!
「さあさあ、うまい関東煮やで、食べていき、この商売のために大阪から江戸に出て来てん」
関東煮売り(辰巳小龍さん)の、軽妙な振り売りの声が響く。
漫然とくつろぐ、町の衆(愛飢男さん・小泉ライトさん・辰巳満月さん)。
そこへよろよろと、杖をついて登場するのが、たつみさん演じる新三だ。

新三は仙台の田舎の百姓だったが、わけあって江戸に出てきた。
口を開けば、ぼんやりしたお国訛り。
「おらな、今、腹減ってならねえんだ。だども、金は三文しかない。だから…すまねえ、おじさん、おでん、ください」
と、泣きそうな顔でお願いするも。
売り物をタダで寄こせるわけがなく、当然追い払われる。

次におでん屋に来客したのは、離れ駒の長吉(嵐山瞳太郎さん)。
続けて現れる、御家人崩れの丹三郎(小泉ダイヤ座長)。
二人は、同じ夕立一家の若衆でありながら犬猿の仲。
おでん屋の前にそろって腰を下ろし、腕組んで嫌味を飛ばし合う。
「あんな奴は、知らねえなあ」
「夕立一家にはたくさんの若衆がいるんだ、あんな三下の顔は覚えてねえな」

そして離れ駒と御家人の喧嘩が始まって、皆が逃げ出したチャンスに。
新三はタッタとおでんの屋台に駆け寄り、もぐもぐ頬張ってしまう。
が、関東煮売りに見つけられ、店の看板振りかざして、追いかけ回される。
新三が蹴つまずいて、「関東煮」の看板抱えて、倒れ込んだ先は。

「なんなんだ、俺たちの喧嘩に割って入るとは…」
離れ駒と御家人の、交えた刃のど真ん中だった。

ダイヤさんの御家人が、心底感嘆して言う。
「このお方は、どこかの大親分に違えねえ。俺は腐っても武士だ。俺の目に間違いはねえ。見ろよ、この方の眼光の鋭さ!」
釈明しようにも、新三は口の中がおでんで一杯で喋れない。
リスのように頬を膨らませて、一生懸命に自分の口を指すたつみさんが、それは可愛らしかった。
そう、この場面で私は初めて気が付いたこと。
この座長さんは、何か食べている姿がやたら可愛い!
おでんとか団子とかを(21日の芝居で団子を食べていた)、王子様みたいなお顔でぺろりと食べるギャップが、絶妙な愛嬌を生む。

新三がおでんで口を塞がれている間に、誤解はどんどん進む。
「大親分、お名前をお聞かせもらえませんか」
と離れ駒が尋ね、新三が返せないでいるうちに、御家人が怒鳴る。
「馬鹿野郎!(新三を指して)怒っていなさるよ…。人に名前を聞くときは、まずてめえが名乗るのが道理ってもんだろうと仰ってるんだ」
そして御家人、新三の腕をとって、
「このお方に俺たちの喧嘩の仲裁をしてもらいてえ。どこか場を設けましょう。さあ、俺たちと一緒に参りましょうぜ!」
ここで「おでん屋」の幕は閉まる。
後は、誤解に基づいた“新三親分”の喜劇と、新三の過去が明かされる人情劇に続く。

私に一番印象的だった光景は、おでんを頬いっぱいに詰め込んでいた、たつみさんだ。
「何度も言ったでねえか、おら、ホントに大親分なんかじゃねえだ。仙台の田舎百姓なんだ。刀なんか、持ったこともねえ」
茫洋とした訛りが、不思議とハマる。

きりりとしたお顔立ちなのに。
どこか、ほんわりしているのが魅力だと思う。
大事に育てられた人特有の、気の優しさが、息遣いに現れている。
(弟のダイヤさんにも共通するけど、あちらはもっとやんちゃな感じ)

このたった4日前に、車の当て逃げに遭われたそうだ。
たくましく、「ひき逃げされる新三です」とか「引きずられる新三です」とか、お芝居中のネタにしていたけど。
ほっそりした左腕には、痛々しいテーピング。
3連休、八尾グラの客席には遠征客も多かったんだろう(私自身もそうだ)。
送り出しでは、心配するまなざしに囲まれていた。



↑このお写真も、当日の舞踊ショーから。
お客さんに愛されて、美人揃いの姉弟に愛されて、芝居でいじり倒している古株座員さんからも愛されて。
だからこの笑顔が出るのだろう。
腕が痛くても、注がれる愛情に答えて、綺麗な舞台を作っていくのだろう。

悪いことがあった分、きっと、必ず、良いこと起きます。
ね、“たつみん”。

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コメント

めっちゃかっこいい!

「たつみん」さん、めっちゃかっこいいー!!

大衆演劇見に行きたいな!
夏が終わる前に!!

萩ちゃん連れてって~~!❤

Re: めっちゃかっこいい!

>arisanet様

いらっしゃぃ~(笑)
行きましょ大衆演劇!メールしました!

写真のたつみんは来年1月、浅草の木馬館で公演します。
そのときも誘うね(*^_^*)

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