劇団KAZUMAお芝居「箱根八里の半次郎」

2014.6.21 昼の部@八尾グランドホテル

このお二人が、喜劇の中にいるだけで。
笑いがじわじわこみあげる。
何でもない場面でも、やたらとおかしくなってしまう。
劇団KAZUMAの頭・冴刃竜也さんと、藤美真の助さんのことだ。

写真・冴刃竜也さん(当日舞踊ショーより)

↑舞踊のときはクールビューティーでいらっしゃるのにな。

写真・藤美真の助さん(当日個人舞踊「乾杯」より)

真の助さんが個人で懐メロを踊ると、さっぱりした風情を感じさせて好きだ。
八尾では「乾杯」「いとしのエリー」「愚か者」と、立て続けに見られてラッキーだった。

タイトルロール“箱根八里の半次郎”を演じるのは柚姫将さん。
半次郎はやくざ一家の若衆として、親分(藤美真の助さん)のため、凶状の旅に出ていた。
3年ぶりに戻ってきた半次郎は、
「まずは、ずっと待たせていた女房に会いとうござんす」
と晴れやかに言った…が。

親分はなんだか決まり悪そうに、「うーむ、その、そのな…」とモゴモゴ。
竜也さんと、響こうたさんの若衆が、後ろから親分をせっつく。
「早く言ったほうがいいですよ!」
「どうせ言わなきゃならないんだから!」
急かされて、親分は恐る恐ると言った感じで語り出す。
半次郎の女房が、一家に泊まった晩のこと。

「お前の嫁さん、寝返りがすごくてな。俺が寝ているほうへコロン、もう一つコロン、と転がって来たんだ」
「ああ、もう一回寝返り打ったら俺の隣に来ちまう、と思ってたら。コロン…と」
「そしてお前の嫁さんの手が、その、あらぬところへ…」

やけに生々しく実況中継をする真の助さんの表情が、泣きそうに眉が下がっているのがおかしい。
半次郎の怒りを恐れて、懸命に言葉を選ぶ親分は、悪役だけど可愛げがある。
「つまりな、お前の女房は、今は俺の女房ってことになってるんだ」
まぁ、言葉を選んだところで、やったことがやったことなので、怒りを免れるはずないんだけど(笑)

余談。
真の助さんの親分の役、前回私が篠原演芸場で見たときは、華原涼さんがやっていた。
涼さんの演技は、サラッとしたジゴロ風。
「お前の女房はもう俺の女房なんだ、すまんな」みたいに淡々と言われると、うーん、涼さんだったら仕方ないかな…って思っちゃうような。

さて真相が発覚して、将さんと真の助さんの言い合いが始まる。
「親分、女房を返しておくんなさい!」
「いや、でももう世間では俺の女房ってことになってるし、今さらお前に返したら俺の男はどうなるんだ」
ここで、真の助さんの後ろに控える竜也さんに、ふと目をやると。
それはもう、実に楽しそうに真の助さんを見ていた。
真実、素で笑っている様子に、思わず噴き出してしまった。

私の竜也さんの印象といえば、笑いを隠し含んでいそうな口元。
飄々と自分のペースで、その場の空気を楽しんでいるように見える。
わけもなく楽しそうな竜也さんを客席から見ていると、わけもなく笑いの虫が、心にふわんと沸き上がる。

喜劇でのその姿は、起爆剤になる。
後半、一馬座長が、真の助さんの私生活談義(ちょっと切ないフラレ経験のお話)を投げたとき。
「やめろ!本当のことを言うなー!」
同じ舞台を見ていた方なら、この竜也さんのセリフひとつで思い出し笑いしていただけるはず!
竜也さんと真の助さん、お二人の絡みは、他のお芝居でも好きだ(例・「次郎長と旅役者」)
履き物で、すぱーんと勢いよく額を叩いたり、とにかく遠慮がないところが。

ところで「箱根八里の半次郎」って、氷川きよしの同名のヒット曲があるよね…?と思っていたら、氷川きよしが当たり始めた頃に、曲を元にして作ったお芝居であるとのこと。
(氷川きよしの底抜けに明るい笑顔は、もはや一種の力学だと思う。彼が歌番組に出ていると、絶対チャンネル変えられなくなる)
劇中にそのヒット曲もかかり、舞台景色はからりと明るい。

昼の部終演後、温泉に浸かっていたら、地元のお客さんとおぼしき二人連れが、今月は初めて来た、来月の劇団どうする?などと話していた。
「今日の昼の芝居は良かったなぁ!楽しかった!あれ、良いわ!」
そのうちお一人の感想に、私は湯の中でにんまり。

普段なら、遠征最終日はお昼の部まで見て、新幹線。
でも、夜の部に私のツボにハマる逸品と出会えるかも…と考えると、お昼で帰るのはもったいなくて。
そうだ。
夜行バスという手があるじゃないか!

夜の部まで残って、本当に良かった。
次の記事で将さんの舞踊の“逸品”の話をして、劇団KAZUMA@八尾グランド編を終わります。

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