劇団KAZUMAお芝居「三羽鴉」

2014.6.20 昼の部@八尾グランドホテル

出張万歳!
大阪での仕事が終われば、トランク引きずり大和路線に乗り込んで。
JR八尾駅からは無料送迎バス。
着きました、八尾グランドホテル!

今回の遠征では、お昼しかお芝居がない関係で、お芝居は2本しか見られなかった…
けど、2本ともに私の目を覚まさせてくれる“気づき”があったし、柚姫将さんの舞踊でも心に残る名品に出会えました。

順を追って、まず6/20(金)のお芝居「三羽鴉」。
一番印象に焼き付いたのは、藤美一馬座長の姿。

写真・藤美一馬座長(当日個人舞踊「アメリカ橋」より)


座長さんが演じるのは、やくざの相川の竜。
冒頭の場面で、竜は弟分の徳太郎(柚姫将さん)と一緒に、島流しから帰ってくる。
竜が告げる。
「徳、お前はここで、やくざから足を洗ってかたぎになれ」
思わず目を見張ってしまったのは、その姿の美しさだ。
一つ頭の抜けた高身長が、舞台の空気を絞るようで。
萌黄色の着物も涼しげに、しんと静かな肌を閉じ込めている。
百戦錬磨の渡世人という竜の役柄通り、しゅっとした細面には、凄みがあって。

いや、座長さんの背が高いのも、細面も、今に始まったことじゃないんだけど…
この2年、見てきたはずだったんだけど…
何かこう、迫力が増した気がする。
迫力と言っても、ドンと前面に迫るようなものでなく。
ほっそりしたスタイルの最奥から、じわじわ細く吹き出る。
「かたぎに戻るなら、先立つものも要るだろう、これは俺からの餞別だ」
袂から財布を取り出してひょいと手渡す、ごく普通の所作に、目が行く。

でも、将さんの「この金、もらっていいのかい」ってセリフに、
「いいとも~」とか答えちゃうと途端に緊張感が抜けて(笑)
「いいともは終わったが、いいとも」
凄みのある表情のまま言うんだもの。
座長さんが男前のまましれっと放つボケは、思い出してもおかしい。

“当然ながら役者は、二十、四十、六十で、物の考え方、生き方がかわり、芝居の演じ方までかわってくる”
「晴れ姿!旅役者街道」に載っていた紀伊国屋章太郎さんの言葉だ。

一馬座長は、今46歳。
増しましていくものが、芝居の姿にも現れるようになるんだろうか。
「一つ、ここに忘れものをしましてね。親分の肩と肩の間にずんぐり盛りあがった、その首ですよ」
淡々と呟く、竜の背中を見ながら考えた。

それから、将さん演じる徳太郎。
この徳太郎がやくざからかたぎに戻るというエピソードゆえに、個人的にはこの芝居を「ヤンキー母校に帰る」って呼んでたり…(笑)
やくざ⇔かたぎの転換が実に鮮やかなのだ。

写真・柚姫将さん(当日個人舞踊「さくらびと」より)


かたぎに戻った徳太郎が、父(龍美佑馬さん)に向ける声は明るく優しい。
「おとっつぁん、良かったな、おきみちゃんが飯作ってくれるってよ!」
でも渡世人の白梅の長太(冴刃竜也さん)が訪ねてくると、途端にトーンを落として。
「暫く、暫く!その話、待っておくんなせぇ」
白梅の長太と対峙する、眼光も鋭く。
普通の世界に戻ってきても、隠し切れない凄惨な匂い。

まるで教師になった元ヤンを彷彿させるじゃないですか!
徳太郎は、蝮一家の親分(藤美真の助さん)への借金を工面して、
「ここに五両あります、さ、受け取っておくんなさい」
と丁寧に差し出すも。
親分に「利がついてんだ、五十両にして返せ」と突き返されれば、途端に、
「ああそうかいそうかい、ふざけるなってんだこの馬鹿野郎!」←この言葉の荒さが元ヤン。
(去年篠原演芸場で「三羽鴉」を見たときも、私的には徳太郎のギャップが見どころだった)

同じ昼の部の舞踊ショーで、将さんの個人舞踊に痺れたので、次はその話をします。

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