劇団KAZUMAお芝居「元禄万治」

2012.12.2昼の部@四国健康村
お芝居「元禄万治」

写真・霞ゆうかさん(12/1舞踊ショーより)



コメディから悲劇への転調って最強だと思います。
涙線的な意味で!

コメディパートで多いに笑わせてもらって、ああこのキャラクター可笑しいなあ、アホだなあ、好きだなあ。
そんな風に感じていたキャラクターが、突如悲劇の渦に巻き込まれて。
殺したり殺されたりの世界に放り込まれて。
ついさっきまで笑っていた彼が彼女が、死んでしまったりすると、もう。

今回の「元禄万治」、まさにそんな前半コメディ・後半悲劇のお芝居。
また一つ、KAZUMAの忘れられないお芝居が増えました。

中盤までは笑いどころ満載。
元禄一家のメンバーは、冷静な親分・万治(藤美一馬座長)、若い衆の長次(冴刃竜也さん)と政(柚姫将さん)、それに万冶の新妻・お蝶(霞ゆうかさん)。

この一家の空気感の面白さ!
たとえばお伊勢参りに行く前、家の中で別れを惜しむ万冶とお蝶さん。
それを外から出歯亀している長次と政が可笑しい。
門の外でひそひそ話してたり、万冶に叱られたのを相手のせいにしたり、二人で万冶とお蝶の真似し始めたり、アホなことをずっとやっているわけです。
しまいには万冶に、
「お前らは中に居ても外に居てもロクなことしねえ。だったら中に居ろ。ハウス!」(←これは爆笑した)
とか言われて、犬のようにすごすご中に…。

二人は兄弟分なんだけど(長次が政の兄貴分)、行動がそっくりなのが可笑しくてなんだか可愛いのです。
お伊勢参りのためのお金があっても、互いに相手を当てにして、
そろって博打ですっからかんになってしまうところとか…笑

それにゆうかさん演じるお蝶さんの可愛さ。
20日間お伊勢参りに行くという万冶に、
「嫌よ嫌、長いわよ~」
と拗ねる声の可愛らしさ!くっ!
つい三月前までは桜木屋っていう堅気のお嬢さんだった(序盤で万冶との馴れ初めをやる)っていう設定にも説得力があるってもんです。
ああもう、この一家好きだなあ。

でも、一家の楽しいホームドラマをずっと観てはいられないのだ。
万冶・長次・政がお伊勢参りに出かけ、お蝶さんは一人で留守番。
そこに、対立する品川一家の食客・深井八郎(華原涼さん)がやって来て。

「万冶がいなければ――斬る」

あっさりと。
斬り捨ててしまう。
倒れるお蝶さん。
動かないお蝶さん。
さっきまで、ついさっきまで万冶に甘えて拗ねてた可愛い姿がまだ残ってるのに。

駆けつける万冶たち。
ここからの座長の演技は圧巻だった。

「俺がヤクザだったばっかりに…」
そうだ。
三月前は、堅気のお嬢さんだったのに。
万冶に助けられて照れたりしてたのに。
こんな形で死んでしまった。

「この万冶を、許して――く・れ…」

この、声。
悲鳴のような。
見せ場なんだけど、悲しみが限界まで詰まった悲鳴にしか聞こえない。

元禄一家は品川一家との対決に向かう。
ここから一人ずつ立ち回り。
まず政、それから長次の順。
でもやっぱり、二人とも斬られてしまうのだ。

お芝居だって重々承知。
でも将さん演じる政が斬られれば、どうしても胸中で、
政ぁ―!
竜也さん演じる長次が斬られれば
長次ぃ―!と叫んでしまう。

だって前半、楽しかったもの。
すっかりこの一家のファンになってしまったもの。

次々部下が倒れて、最後は万冶と品川一家の親分(龍美佑馬さん)が対決する。
まだ舞台の端に倒れている長次と政。
その間に立ち、一人で刀を振り回す万冶を見ていると、それだけで泣きそうになります。

でも、このお芝居には最後まで逆転が待っていた。
斬られた長次と政は生きていたのだ!
二人は起き上がれないまま、必死に這いずって親分の下へ。
刀にすがるようにして、体を引きずって親分の所へ。
「親分~~~っ!」
二人の叫びで、幕は閉じる。

元禄一家、この後どうなったのかな。
長次と政は深手だったけど、助かったんだろうか。
これから三人で、やっていくのかな。
お蝶さんのこと思い出しながら、やっていくのかな。

お芝居だって重々承知。
でも、そんなことが気になるくらい、舞台の上の一家が好きになった。

これだから!
KAZUMAのお芝居はやめられないのです。
お芝居と舞踊ショーの間の休憩時間、決壊した涙線の跡を拭き拭き、思うのです。
ああもう、本当、好きだなあ。
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コメント

素晴らしいレポを有難うございました♪
佑馬さんが親分格だなんて、このお芝居観たすぎるっ!!

ただ悲劇っていうのが・・・実はゆうかさんも生きていたっていう大どんでん返しはないものかしら(T-T

コメントありがとう♪

佑馬さん、いつもの老け役でも輝いてるけど、格好いい役すると本当に半端なく格好いい…
ね、悲しいまんま幕が閉じていくとああ待って!実はハッピーエンドっていうどんでん返しはないんですか!って気持ちになって…
それが悲劇なんだけどね^_^;

劇団KAZUMA大好きなんです

今月は四国健康村ですね^_^
読ませていただいて、涙が溢れてきちゃいました。
ものすごくこのお芝居をみたくなりました。ありがとうございます。

>ヤマモト様

コメントありがとうごさいます!(*^_^*)

劇団KAZUMAの「元禄万治」は、この記事の後もまた見る機会がありました。
前半のおかしさと後半の悲劇性で、ぎゅっと良い所の詰まったお芝居でした。

読んでもらって、涙が溢れたと言ってもらって、お芝居を見たくなった…との言葉までいただいて。
物書き冥利に尽きます、ありがとうございます♪

今月の四国健康村は、私も遠征予定です。
また月末からぽつぽつ感想記事上げると思いますので、よければ見てやってくださいませ~

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