ぬくもりの客席 ―劇団KAZUMAのもう一つの魅力の話―

2013.9-10月 東京公演を振り返って

私は、ここにいられて幸せ。
9月・10月、そんな気持ちが何度込み上げてきただろう。
膝の上には、いただいたおせんべいやクッキー。
私のカバンの中にも、この間仲良くお話していただいた方へのチョコレートが用意してある。
お芝居の幕が降りた後は、隣の方と交わす「良かったですねえ」「あそこ泣いちゃいましたね」。
私は、劇団KAZUMAの客席の片隅にいられることが嬉しい。

写真・10/27(日)の篠原演芸場
壁に下がる皆さんのタペストリーは、私には限りなく温かな空間のシンボルなのです。


客席同士の交流が濃いっていうのは、大衆演劇そのものの特長でもあるんだろう。
そして、思いっきり、全力の贔屓目は承知の上で。
KAZUMAの客席には、格別な温かみがある気がする。
「こんなに客席に親密な空気が漂っている舞台が、まだ存在していることに驚きました」
舞台芸術の研究に携わっている知人を、KAZUMAの木馬館公演にお誘いした際、感慨深げに仰っていた。

初めてお会いする方でも、大衆演劇ファンならば、ましてやKAZUMAファンならば心は通じるかも。
そう信じて、一人で観劇するときなど、おずおず声をかけてみれば。
「この劇団、好きなの?私もよ~」
すぐに返ってきてくださる笑顔。
それから、長く応援している方はもちろん、新しいファンの方でも、ご自身のお気に入りポイントを語ってもらえるのが楽しい。

「今月初めて来たんだけど、真の助さんって方、踊りが大きくていいねぇ。スケールの大きな歌でも負けない気がする」
「佑馬さん、ホントにパワーアップしてかっこよくなったよね。皆言ってる」
「このお芝居の将さんね、もう素晴らしかった!将さんばっかり見ちゃった」
「友華ちゃんって、ちょっと天然なところがすごく可愛いじゃない」
「ゆうかちゃん、踊り上手いわよね。もっとゆうかちゃんの笑顔が見たいな」
「竜也さん、かっこいいですねえ。踊りのとき、惚れ惚れする」
「やっぱり愛ちゃんが舞台にいると違うわ~。嬉しくなっちゃう」
「涼さん、お芝居上手いですよね。歌でも踊りでも、さらっと何でも上手い」
「私は一馬座長がイチオシ。優しい笑顔が大好き。もう応援したくて、できるだけ毎日来てるの」

はい、ですよね、と聴いているだけで私は幸せ気分。
早くあの客席に腰を下ろして、近くの方と挨拶を交わして、楽しい時間を共有したい。
10月は、退勤後18:00の開演に間に合うために、朝早く出勤する日も多かった。
眠い目をこすりつつ目覚まし時計を止めて、重い体を起こしていたのは。
KAZUMAのお芝居に浸りたいというのはもちろん、あの客席の一員でいたかったというのも大きいのだ。

これは東京だけじゃなく、遠征のときの客席も同じだった。
四国健康村でも、くだまつ健康パークでも、夢劇場でも。
「東京から観に来たの?藤美さんとこ、みんな良いもんねえ」
そして、私と友人の席に置かれる果物やお菓子。
9・10月は逆に、東京へ遠征にいらしたファンの方にもたくさんお会いした。
東京で、できるだけ良い思い出を作って帰られたのならいいな。

……大衆演劇の客席には、色んなものが渦巻いている。
ファン同士の感情のいざこざに、グレーな噂。
年中、木馬・篠原に腰を下ろしていれば、私の耳にも入って来る。
劇団KAZUMAだけが、綺麗な例外ってわけじゃない。

だけど、もらった温かさは、そんなものよりはるかに大きい。
演劇グラフに、以前こんな読者投稿があって、何度も読み返してしまった。

“客席では、初めて会ったお客さん同士でも、気軽に声をかけてくださる…。これがKAZUMAのファンだと思いました。行くたびに知り合いが増えます。「劇団KAZUMA」、不思議な劇団です。”
(「演劇グラフ」2013年4月号より)

です!よねー!
素晴らしい投稿に感謝。

しかし、客席のカラーって、何で決まるんだろう。
そのヒントになる言葉を聞いたのは、木馬館でも篠原でもよく顔を合わせていたおばあちゃんに、お菓子を渡しに行った際。
「一馬さんのところは、いいですねえ。他のどこより、情が深いですもん」
この一言は、劇団KAZUMAを象徴する言葉として、心にすとんと落ちた。
――深情け。
私が大衆演劇に求めてやまないもの。

一馬座長が、ミニショー後の挨拶でよく仰っていたこと。
「お客さんもただ観ているだけじゃなく…好きなこと言っていただければと思います。悪いやつが出てきたら、引っ込め―、とかも言っていいんです。うちは、お客さんも舞台に参加していただければ…」
こんな風に、こちらに手を伸べてくださる一馬座長の劇団だから。
だからあの客席は、はにかむようなぬくもりに、満ちてやまないのだろう。

このブログにいらしてくださる、KAZUMAファンの皆様もそうです。
温かいコメントや拍手コメント、いつも嬉しくてなりません。
何よりの励みです。

さあ、これでようやくの休憩。
東京近辺にいらしている、他の劇団さんの輝きについても、書きたいことがたくさん。
この2か月、KAZUMA鑑賞録を読んでてくださった方、長いお付き合い、ありがとうございました。
とびきりの、良い秋でした!

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コメント

再び♪

こんばんは♪

新開地現場に♪行き慣れつつある私です(≧▽≦)

お萩さんのブログを読んで観劇すると‥まだまだですが‥知ったかぶりして‥大泣きしています(TΘT)

今月は、なかなか竜也さんの性別変わる舞踊が見れず‥本日やっと(≧▽≦)見惚れて来ました\^o^/

三つの魂の18年の意味を‥噛み締めて観るお芝居‥号泣(TΘT)

竜也さんのマツさんのコミカルなお芝居(≧▽≦)

笑いあり‥涙あり‥
本当に素敵な劇団ですぅ♪

だだ嵌まりまして‥1月京橋には、女子を大量に引き連れて行こうと企画中にございます(≧▽≦)

本当にありがとうございますm(__)m

ちらほらと劇場でお目にかかる方々と‥お友達になりつつ(≧▽≦)

これよりの演劇ライフを堪能して参ります(≧▽≦)

あ‥劇団KAZUMA限定になりつつありますが‥

えへ(≧▽≦)
ではではまた(≧▽≦)

Re: 再び♪

>いでっち様

いらっしゃいませ♪コメントありがとうございます。
新開地でKAZUMAの舞台を満喫中なんですね(*^_^*)

竜也さんの女形舞踊は、どこか影がある妖しげな美女なのがたまらないです。
舞台に出てきただけでゾクゾクします!
かと思えば可愛らしい感じの女形も踊られるし…お芝居ではコミカルだし…
底知れない方ですよね。

「三つの魂」の感想をしっかり読んでくださっていることに感謝です。
自分の書いたことに共感していただけるなんて、もうホントに嬉しいです!
毎回、どうしたらこのお芝居の感動が伝わるんだろう?と悩んでいる甲斐があります。

このブログでいでっちさんのようなKAZUMAファンの方と繋がれて幸せです。
新開地公演、とことんお楽しみくださいね!
よければ今後も読んでやってくださいませー。

こんばんはっ\( ˆoˆ )/

劇団kazumaの芝居の感想などが
当分見れなくなると思えば
なんだか寂しいです(;_;)
でもそろそろ九州に来そうなので
一年振りに劇団kazumaを
やっと生で見れそうです(*´▽`*)
迷惑でないのならその時はこの場をかりて
報告させてもらいます(๑>؂<๑)

Re: タイトルなし

>来夢様

見ていてくださって嬉しいです♪
来夢さんは九州にお住まいだったんですね。
劇団KAZUMAに九州出身の方が多いので、九州に憧れを抱く昨今です…

ぜひぜひ、報告してください!
遠くへ行ってしまったときも、各地のKAZUMAファンから皆さん元気いっぱいにやっていると聞くと、一日幸せです(*^_^*)
ありがとうございます。

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