劇団KAZUMA お江戸の千秋楽舞台模様

2013.10.30 @篠原演芸場

大好きな劇団の千秋楽の日は落ちついて居られなくって、早起きして観劇仲間と朝ごはん。
こんな方って、実は多いんだろうか。
目が覚めたら、まだ朝7:30だった。
でも、ついに東京公演最終日が来てしまったのかと思うと、心にぽんと穴が空いたかのようで。
友人と二人して早くに待ち合わせして、朝食@モスバーガー。
「寂しいね~」
「でもまた遠くも行こうね~」
言い合って、腹ごしらえして、覚悟して、さて篠原演芸場へ!

千秋楽のお芝居は「元禄万冶」。
昨年12月に四国健康村で観て、喜劇から悲劇への転調がツボだったお芝居だった。

私は、万冶の一家4人の仲良しぶりが大好き!
まず、冷静な万冶(藤美一馬座長)と、焼きもちやきなのが可愛い新妻のお蝶さん(霞ゆうかさん)の熱愛っぷりがたまらない。
大事なお伊勢参りだって、大事なお蝶さんが
「嫌よ嫌、20日だなんて長いわよ~」
と言えば、万冶は小さな子を宥めるように、
「そうかそうか…おい、もう少し短くならねえか?」
と慈しみたっぷりの表情で言う。

それに、若い衆の長次(冴刃竜也さん)と政(柚姫将さん)。
頭に血がのぼりやすくて、阿呆なことばっかりやってる兄弟分。
千秋楽での将さんと竜也さんは、役の中に入ったりはみ出したりしながら、いつもにも増して、楽しそうに緩やかに絡んでました。
長次と政が、互いにお金を借りようとする笑いどころでは、パチンコで負けた話が差し挟まれたり。
将さんが「俺にいい知恵がある」と言えば、竜也さんが「お前のいい知恵は、大体俺が座長に怒られる羽目になる…」とまぜっ返したり(笑)

けれども。
お芝居も、続く舞踊ショーも楽しみながらも、感傷的な心はやっぱり残っていて。
だって、週末が楽しみで仕方なかった2か月が終わってしまうのだ。
――それを吹っ飛ばしてくれたのが、この方の個人舞踊だった。

写真・冴刃竜也さん(当日個人舞踊「一本釣り」より)


――日暮れ港に花火があがり――
「一本釣り」のイントロが流れ出したとき、正直びっくりした。
他の劇団さんではちょこちょこ観るけど、劇団KAZUMAで耳にするのは私は初めてだったので…

千秋楽で、個人で、この曲。
いや、千秋楽だからこそ、この曲。
みんなが乗れる、というかむしろ乗らざるを得ない、この曲!
…なんてセンスだろう。
会場に漂っていた“これで見納め”という寂しさまつわる空気が、一気に色づいた気がした!

――惚れたよ惚れたよ 冗談ぬきだよまっしぐら――

しれっと軽やかに、会場の眼差しを一本釣りされる竜也さんを観ていたら、なんだか妙におかしくなってきてしまった。
本当に、エンターティナーなんだなぁ、この方は。

そのおかしみが、さらに爆ぜたのが、終演後のアンコール!
会場のどこからか聞こえた「一本釣りがいいー」というリクエストに、一馬座長は「じゃあ一本釣りやりますか…」と応えてくださって。
劇団KAZUMA皆さんでの、一本釣り!
会場も立ち上がっての一本釣り!

私も、友人も、馴染みの常連さんも。
篠原の座り心地のいい座布団から腰を上げて、手を叩いて。
最後までエネルギー全開、舞台を、花道を、汗だくになって走り回るKAZUMAの皆さんを、幸せいっぱいに見つめていた。

皆さんが、東京に来てくださってよかった。
圧倒的に九州や関西での公演が多いのだから、勝手な想像だけど、もしかしたら東京ではやりづらい点もあったのかな。
でも、毎日毎日、文字通り全力を尽くした舞台を見せてもらった。

仲良くしていただいた素敵な女性の常連さんが、噛みしめるように言っていた一言。
「ここは、とにかく一生懸命。誰一人手を抜いてないもん。全員必要で、全員一生懸命」
かつて私は、劇団KAZUMAの舞台はなんでこんなに楽しいのかな、なんて記事も書いた。
今もその魅力はハッキリとは掴めないんだけど。
“全員必要で、全員一生懸命”
その理由が少しだけわかった気がした。

将さんの、感情の持っていき方が丁寧なお芝居に、心底感動できてよかった。
竜也さんの、流れるような粋な舞踊が、たくさん観られてよかった。
佑馬さんの、色んな老け役・敵役が進化する様に、立ち会えてよかった。
涼さんの、気品たっぷり、小物使いが抜群に光る女形が、毎回観られてよかった。
愛さんの、少女めいた哀切極まる舞踊に、ハッとする瞬間が何度もあってよかった。
真の助さんの、愛嬌のある三枚目役・親分役にいっぱい出会えてよかった。
ゆうかさんの、時折驚くほど切ない感情が詰まった舞踊を、見つけられてよかった。
友さんの、場を明るく照らす最高の笑顔が、いつも舞台にあってよかった。


藤美一馬座長が、東京千秋楽で笑ってくれてよかった。

次に皆さんにお会いできる日も、きっとそんなに遠くはないでしょう!

この長かった劇団KAZUMA鑑賞録も、これでひとまず休憩――とはならず。
あと一つだけ書き残したいことがあるので、次で最後にします。
劇団KAZUMAのもう一つの魅力の話。

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