劇団KAZUMAお芝居「モグラとラッキョ」

2013.10.14 夜の部@篠原演芸場

なんて楽しそうなお外題なんだろうと、ずっと楽しみにしていた「モグラとラッキョ」。
この夜は、ホントに楽しかったなぁ。
時折隣席の友人にもたれつつ、けらけら笑い通しだった。

とりわけ嬉しかったのは、香月友華さんの活躍が光っていたこと!

写真・香月友華さん(当日ラストショー「お祭り」より)


ちょっと友さんについて語りたい。
管見の限り、友さんは昨年12月からKAZUMAにいらした。
ややハスキーな声、しゅっとした身の丈。
何より、目尻を下げて笑う底抜けに明るい笑顔が、私は大好きなのです。
メンバー紹介のとき、友さんが舞台に勢いよく飛び出してきてにこぉっとされると、友さーん!って呼びかけたくなる。
ミニショーでのゆうかさんとの相舞踊では、その表情がどんどんしなやかになっていらしたし。
いつか個人舞踊を観たいなあ。

さて、「モグラとラッキョ」での友さんの輝きを説明するには、少々あらすじを追う必要がある。

モグラみたいに浅黒い侍・海野蛸次郎(冴刃竜也さん)。
ラッキョみたいにひょろっと白い旅烏・御岳仙太郎(藤美一馬座長)。
冒頭、モグラとラッキョは往来で喧嘩中。
「座長の用心棒は俺が引き受けたんだ」
「ふざけるな、俺が座長に頼まれたんだ」
原因は、旅周り一座の座長・花村市之丞(霞ゆうかさん)の用心棒役を巡って。

「お二人とも、喧嘩するようなら、もう頼みません」
と美人座長は困り顔。
「まだ興業の勧進元も決まらないというのに…」

勧進元が決まらないのにはわけがあった。
土地のやくざ勢力が二分されていて、仲違いしていたためだ。
片方は新田の熊五郎(美影愛さん)
もう片方は寅二郎(柚姫将さん)。
敵対する二人は、血は繋がってないけど親子なのだ。
寅二郎のお母さんが、幼い寅二郎を連れて熊五郎と再婚した。
そしてこのお母さんを演じるのが、香月友華さんというわけだ。

美影さんの熊五郎、将さんの寅二郎、友さんの”おっかあ”の親子三人の関係性が最高におかしい。
熊五郎と寅二郎は、「あの馬鹿息子」「あのクソジジイ」と呼び合うくらい嫌いあってるのに。
思考回路が本質的に似ている。
たとえば、モグラとラッキョにかつがれて、“花村市之丞座長が自分に一目惚れした”と聞けば。
熊五郎「(涙して)昔はそんな話は降るほどあったが、ここ最近はめっきりだった…」
寅二郎「そろそろ俺にも嫁が必要だと思ってたところだ…」
疑いもせず、すぐ調子に乗るところとか(笑)

そして微笑ましいのは、”おっかあ”に二人そろって弱いところ。
熊五郎は、市之丞座長と一緒にいたところをおっかあに見咎められると、途端に小さくなる。
「あんた、この人は何なのよ?!」
「…通行人です」
この会話には大笑いした!

一方寅二郎は、若衆(藤美真の助さん)相手に、「おっかあみたいな別嬪があのジジイのどこが良くって結婚したんだ」とぼやくくらい、お母さん子。
だもんで、熊五郎が、大事な母親を放ったらかしにして市之丞座長と一緒にいたのは当然許せない。
「何やってんだ、この色ボケジジイ!」
と、母子並んで熊五郎を糾弾する姿は、口は悪いのになんだか可愛かった。

お母さんの最大の見せ場は、熊五郎と寅二郎がそろってモグラとラッキョに退治され、一人残された場面だろう。
モグラとラッキョに挟まれて困惑顔。
…というか、本気で友さん困ってらっしゃるような?
と思いきや、ラッキョ役の一馬座長が実に楽しげに一言。
「舞台に残されると思ってなかっただろ?ここから先は教えてねえもん!」
どうやら、友さんご自身、この展開を知らなかったらしい(笑)

「旦那と子ども、どっちを助けに行くんだ」
と問われて、
「うーん…子どもかなぁ…だって男はまた別のも星の数ほどいるけど、子どもは一人しかいないでしょ?」
お芝居ではなく本気で考えてらっしゃる様子が、おかしくって可愛い。
悩んだ末、ラッキョに「旦那も子どももいなくなった今、両方の一家の財産があんたのものってことだぞ」と言われて。
ぱあっ!と破顔一笑のお母さん、というか友さん。
そっかぁ!とでも言わんばかりのゲンキンな笑顔が眩しい。
「そうよね!あたし、また新しい男つかまえて新しい人生送るわ!」
と言って舞台袖にはけていった。
あー面白かった、そして可愛かった。

「モグラとラッキョ」については、もう一点書き残しておきたいことがある。
将さんの芝居の丁寧さに、また一つ気づかされたので。

柚姫将さん(当日舞踊ショーより)


この日、私と友人は珍しく端のほうの席だった。
そのため、二人の人間が向かい合って話すような場面だと、片方は背中しか見えなくて…ちょっと残念に思っていた。
でも、将さんが真の助さんと机を挟んで話す場面では、全景がとても見やすかった。
なんで?と驚いて。
あ、将さんが、真の助さんのほうじゃなく、客席正面に体を向けて話してるからだ!
客席のほう向いてもらえると、どの席に座ってても、表情や仕草がちゃんと見える。

お客さんが見やすいように演じる。
毎日毎日のお芝居の中で、そういう小さな積み重ねって、目立たないけど最もぶれのない精進だと私は思うのです。

しかし、今感想書いててもかえすがえす面白かった。
今年観たKAZUMAの喜劇ではNo.1かもしれない。

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コメント

初めまして(*^^*)
なぜか分からないんですけど
お萩さんのブログを見せてもらいました。
お萩さんのお芝居の感想はとても分かりやすいです(*^^)
観た事のないお芝居を私まで観た気になってしまいます^^;
また、私と違う視点でお芝居を観てるんだな~と思って面白いです。
これからも楽しみにしてるので宜しくお願いします♪

>来夢様

いらっしゃいませ!
コメントありがとうございます。
分かりやすいと言っていただいて、とても嬉しいです。
観たお芝居の情景をなるだけお伝えしようと書いております。
来夢さんがご覧になったことのないお芝居を、私の文で仮体験できた部分があるとしたら本望です(*^_^*)

お芝居って不思議ですね、本当に人によって観方が全然異なるんですね。
来夢さんの視点での感想も、よければ聞かせてくださいね♪

今後ともよろしくお願いします。

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