【SPICE】「大衆演劇お芝居」ベスト5…じゃ収まらなかったベスト10!

まず、クリスマスイブにSPICE編集部からメールで届いた「年末企画」の依頼。
「2015年ベスト5」というくくりで、今年を振り返る素敵な企画。
ひたすら楽しく書かせていただきました!

<2015年末回顧>お萩の「大衆演劇お芝居」ベスト5

記事では以下5つの芝居を選択(順位はなしです)。
いずれももずっと心に留めておきたい、出会えてうれしい名芝居。
それぞれへの感想と、各役者さんの写真を載せてます。

★たつみ演劇BOX「夜叉ヶ池」(2015.2.11 夜の部@篠原演芸場)
★劇団KAZUMA「品川心中」(2015.6.13 昼の部@三吉演芸場)
★橘劇団「鶴八鶴次郎」(2015.9.13 夜の部@篠原演芸場)
★劇団天華「釣忍」(2015.11.22 夜の部@篠原演芸場) 
★劇団炎舞「留と棟梁」(2015.11.29 昼の部@つくば湯~ワールド)


⇒全編はこちら!(SPICEサイトに飛びます)

でも、ですね。
規定の「ベスト5」じゃ、ホントは収まらない。
2015年もほぼ毎週末、芝居の世界に浸ってたので、名芝居はまだまだたくさん。
なのでブログでは、記事に収まらなかったもう5つを加えて、個人的な「ベスト10」を書き残しておきます。
残りは以下5つ!

★劇団悠「化猫」(2015.3.22 昼の部@浪速クラブ)
★桐龍座恋川「生きた幽霊」(2015.4.25 昼の部@篠原演芸場)
★劇団KAZUMA「雪の夜の父」(2015.6.24 夜の部@三吉演芸場)
★劇団都「丸山哀歌」(2015.8.15 夜の部@三吉演芸場) 
★劇団天華「丸髷芸者」(2015.12.20 昼の部@ユラックス) 

劇団悠・松井悠座長(2015/3/22)
CIMG8098.jpg

劇団悠の「化猫」は、灯篭抜けや戸板返しといったアクロバットが圧巻!
けれどこのお芝居が本当にすごいなぁと思うのは、外連のみに留まらず、松井悠座長の化猫が哀しさ・女性らしさを保っているところ。
人間の女である“すず”と猫が混ざり合ったという設定の化猫は、白い髪に白い着物。
暴れ回っても、細面なのも手伝って、どこかはんなりとした女性の面影が漂う。
そして一番の思い出は、この日浪速クラブの客席でお隣だった80代のご婦人の一言。
「すずの気持ちわかるわね、私も同じ目にあったら化けて出るかもしれないわ~」
人生の先輩の安らかな笑顔は、何か心に染み入るものがありました…。

桐龍座恋川・初代恋川純太夫元(2015/4/20)
CIMG8273.jpg

しょーだーい!しょーだーいっ!とコールしたくなってしまう。
私の友人間では大人気の初代恋川純さん
その芸の豊かさ、愛嬌の深さをいっぱいに味わえたのが「生きた幽霊」だ。
初代演じる番頭は、純座長演じる若旦那相手にやりたい放題。
くしゃくしゃと笑み崩れる笑い皺の中に、透ける芸の重層。
何十年、ひたすらに芝居して、芝居して、芝居してきた。
初代の丸みを帯びた身体に、芝居がみちみちと詰まっている。

劇団KAZUMA・藤美一馬座長(2015/6/4)
CIMG8772.jpg

劇団KAZUMAの「雪の夜の父」はボケちゃったお父さんをめぐる、家族の物語。
ささやかに、それでも拳を握って必死に生きている人々の、小さな物語。
3年ぶりに観ることができた、思い入れの深い外題だった。
「雪の夜の父」の筋を聞いた友人が、「現実と地続きの夢」という素敵な言葉で表現してくれた。
私たちの日常の苦しみから生まれる、“こうだったらいい”“こうなったらいい”という祈りが。
優しいお芝居の奥に、こんこんと息づいている。
それはやっぱり、劇団KAZUMAのカラーであり、つまり藤美一馬座長という役者さんの持つ色合いなんだろう。

劇団都・藤乃かな座長(2015/8/19)
CIMG0519.jpg

私は芝居に飲み込まれやすいので、芝居観ながらしょっちゅうボロボロと泣いているのだけど、劇団都の「丸山哀歌」は呼吸困難を起こすほど涙した。
遊女・結の遊郭に15年間閉ざされた人生。
けれど藩士・桂木清之助との出会いを経て、ひとすじ光が差す。
「もっといろんな国のお話をしてください!」
桂木の夢の話を聞くほど、結の心は自由に飛び立っていく。
藤乃かな座長の描く女の人生は、悲惨なものでありながら、たしかな希望を底に湛えていた。
ラストシーン、大きな花のひらくような、かな座長の笑顔が印象深い。

劇団天華・澤村千夜座長(2015/12/19)
CIMG4523.jpg

2015年、忘れられない出会いの一つとなったのが劇団天華さんの芝居。
澤村千夜座長の痛烈に突き刺さる鋭いセリフや、深い闇をのぞくような底なし感や、ざらざらした手触り。
なにか、「新しい風景が開ける」のを体感している真っ最中。
11月の篠原演芸場公演で衝撃を受け、勢いで12月ユラックスまで遠征してしまうくらい。
ユラックスで観られた「丸髷芸者」は、やっとつかんだ夢を自ら手放す芸者・お蔦さんの話。
哀しみの極みを笑って生きていく女の人の話(近日中にブログ上げます)。
2016年は、この劇団の人情芝居をもっと観てみたいな、と思っています。

…2015年の振り返り、どーにか2015年中にアップできました!(笑)

にほんブログ村 演劇ブログ 大衆演劇へ
にほんブログ村

スポンサーサイト

【SPICE】大衆演劇の入り口から[其之八] ・お正月の横浜で出会う「たつみ演劇BOX」と「三吉演芸場」

大晦日にこんばんは!
すっかりブログの更新期間が空いてしまいましたが…m(__)m
SPICEのほうの連載はぼちぼち書かせていただいています!
まずは、1月に三吉演芸場で公演する、たつみ演劇BOXさんを紹介させていただきました。

大衆演劇の入り口から[其之八] ・前編 息を飲むほど美しい!お正月の横浜で「たつみ演劇BOX」に出会う



このお正月、横浜で日本の美の世界に出会いませんか?
上の写真たちを見ていただければ、おわかりの通り。古典の美。完成された美。一枚の絵のような舞台から、研ぎ澄まされた“華”が観客に向かって放たれる!「たつみ演劇BOX」。全国約130といわれる大衆演劇の劇団の中でも、華やかさ・美しさは随一だ。舞台のすみずみまで、ピン!と緊張が漂う。


⇒全編はこちら!(SPICEサイトに飛びます)

TEBを紹介させていただくなら、まず写真!とにかく美しい舞台景色の写真を並べよう!
大衆演劇を観たことがない読者にも、あの洗練された画面はきっとインパクト大のはず。
そこで写真の腕の立つ友人たちにお願いし、友人たちとの協力作業のような感じで、TEB紹介記事が書き上がりました。
(お暇な方、各写真の下に載せている撮影者の名前を見ていただくと、この記事が他力本願で出来上がっていることがよくわかります笑)

感動したのが、記事の公開直後、TEBファンの方がブログで紹介してくださっているのをたまたまネットでお見かけしたこと…
おそらく、喜んで下さった、のだと思う。
私は大衆演劇ファンであると同時に、大衆演劇ファンのファンでもあるので。
各劇団さんのファンが少しでも喜んでくれると、PCの前で欣喜雀躍するのです。

そして「後編」では、たつみ演劇BOXが公演する横浜・三吉演芸場を紹介させていただきました。

大衆演劇の入り口から[其之八] ・後編 商店街と名物アイス―横浜・三吉演芸場の魅力

CIMG4150.jpg

少々、三吉演芸場の歴史を紐解いてみる。演芸場の階下に、かつては銭湯「元祖草津温泉」があった。先に一階の銭湯があり、昭和48年、貸し小屋だった二階に三吉演芸場が開場した。にょっきりと高い灰色の煙突に、「ドントコイ、ドントコイ」と演芸場の呼びこみの太鼓が響く、全国的にもユニークな小屋だった。

「今舞台を終えた劇団の人たちが、裏からゾロゾロ銭湯に入って来るの。観てたお客さんも風呂に入って、役者さんとお客さんが、中で背中流しっこしたり、お風呂から上がって牛乳を飲みっこしたり」(三吉演芸場・本田玉江会長)

銭湯のほうは、残念ながら平成9年の建て替えで無くなってしまった。だが今も名残のように、公演している役者さんが三人ぐらい一緒に入れる、大きな楽屋風呂があるという。


⇒全編はこちら!(SPICEサイトに飛びます)

暑い夏の日、ツルツル冷たいお蕎麦を挟んで。
本田玉江会長が懐かしげに話してくださった、三吉演芸場の昔の話。
聞かせていただいたお話は、私の宝物です。
SPICE記事では歴史のほんの端っこのみ、何とか書かせていただいた。
本当はいずれちゃんと形にしたいのだけど…

大衆演劇世界は、広く深く遠く、ただ果てしなく。
書きたいことは目を回すほど増えるばかり。
途方もない道のりだけど、応援してくれる友人たちやTwitterのフォロワーさんたちがいるので。
一つ一つ、一歩一歩、書いていきます。
読んでくれる人にわずかなりとも「幸福」が届きますように♪

にほんブログ村 演劇ブログ 大衆演劇へ
にほんブログ村