【SPICE】潜入レポート!8/1(土)オープン直前 大衆劇場「立川けやき座」(大衆演劇の入り口から・番外編)

関東の大衆演劇ファンの皆様。
いよいよですね。
できますね。
この関東に、大衆演劇の新劇場、できますね。

関東のセンターさんの閉館が増えている中で、曇天に飛び込んできた陽光のようなニュース。
……やったあー!!

喜び勇んで、立川けやき座の潜入レポートを書かせていただきました。

【SPICE】潜入レポート!8/1(土)オープン直前 大衆劇場「立川けやき座」(大衆演劇の入り口から・番外編)
ブログ用

「大衆演劇、興味はあるけどまだ観たことない!」
そんな方には絶好の機会だ。東京・立川駅――1日平均乗車人員数16万人の主要駅。ここから徒歩約8分の距離に、大衆演劇の専門劇場が誕生する。
「たくさんの人に、立川けやき座のファンになってほしい」
と語る、山口道明支配人。現在、東京の大衆演劇の劇場は浅草・木馬館と、十条・篠原演芸場の2劇場のみ。3劇場目に加わる「立川けやき座」は、8/1(土)にこけら落としを迎える。
7/25(土)、私は開場直前のけやき座を訪れた。最後の仕上げ中の劇場は、新しい“物語”が始まる高揚感に満ちていた。ここでどんなお芝居が、舞踊が繰り広げられるだろう?大衆演劇ファンの間では話題沸騰の「けやき座」に、一足早く潜入させていただきました!


⇒続きはSPICEでお読みくださいませ




記事でも書かせていただきましたが、お客さん目線の工夫に溢れた小屋でした。
なんとも愛嬌たっぷりの支配人の愛情が、劇場のあちらこちらから感じられます。
開場直前で一番お忙しい時期だろうに、快くご案内してくださったことに感謝が尽きません。

そして、生まれて初めて開場前の劇場というものに入って。
なんだろう、あの、誰もいない客席に満ちる高揚感。
ここから扉が開きますよ、と。
ここから歴史が始まっていきますよ、と。
椅子が、舞台が、ガランとした楽屋のドアが、ざわざわ言っているみたいだった。

慣れ親しんだ劇場も、かつてこうやって始まったのだろうな。
1951年、篠原演芸場も。
1973年、三吉演芸場も。
1977年、浅草木馬館も。
(木馬館の場合は、正確には大衆演劇を始めたのが1977年でその前は民謡と安来節の劇場でした)

今、2015年に、大衆演劇ファンでいられて良かったな。
私は、立川けやき座の歴史の初めのほうのページに潜りこめる。
劇場の“物語”を始める一員になれる。
友人たちと一緒に、同時代を生きているお客さんと一緒に。

2015/8/1(土)、立川けやき座こけら落とし。
この先何十年の“物語”の、始まり、始まり。

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【SPICE】大衆演劇の入り口から[其之壱] 劇団KAZUMAの“人間の匂い”

このブログを訪れてくださっているのは、やっぱり劇団KAZUMAファンの方が多いようで…
皆様いつもありがとうございます!

エンタメ特化型情報メディアwebサイト【SPICE】連載中、「大衆演劇の入り口から」。
(連載の経緯はひとつ前の記事の通りです)

第2回も公開していただきました!
【SPICE】大衆演劇の入り口から[其之壱] 劇団KAZUMAの“人間の匂い”
劇団KAZUMA・藤美一馬座長(2015/6/4)
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人情芝居『戻り橋』の風景
イヤだ。イヤだ。こんなところ、逃げ出したい。毎日、親方に“盗みをしてこい”と命令される。今日はついに親方に逆らってしまい、家から叩き出された。今夜は納屋で一晩過ごさなければならない。ひどく寒い上に、ひとりぼっちだ。
「なんで俺が、こんな目に遭わなきゃならねえんだって何度も思った…」
みなしごの少年は、じっと考える。こんな人生になってしまったのは、悪い親方に拾われたせいだ。でも、そもそもは実の親が自分を捨てなきゃよかったんだ。戻り橋でおとっつぁんが俺を捨てたから、俺はこんな地獄にいるんだ――。


⇒続きはSPICEでお読みくださいませ



第2回目で早速KAZUMAの話です。
「なぜ大衆演劇にハマったのか?そのわけを書いたら読者の共感を呼ぶと思う」
【SPICE】の担当の方に、そう言っていただいたとき、KAZUMAのことしか浮かびませんでした。

私はこの劇団の芝居に、元気をいただいた。
カサカサになっていた心に水をいただいた。
(詳しくは記事中で言及しています)

あの温かさ、なつかしさはどこから来るのか。
客席と舞台のほのぼのとした繋がりはどうやって結わえられるのか…
まだまだ、全く、見えないことだらけ。

KAZUMAファンの方に、どこか共感いただけるところがあれば嬉しいです。

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【SPICE】大衆演劇の入り口から[其之零] あなたも一緒に!泣いて笑って

この夏、始まりました。
ご縁をいただいて、始めさせていただきました。

エンタメ特化型情報メディアwebサイト【SPICE】にて、「大衆演劇の入り口から」連載開始です!

【SPICE】大衆演劇の入り口から[其之零] あなたも一緒に!泣いて笑って
たつみ演劇BOX・小泉たつみ座長(2015/3/26)
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大衆演劇の舞台は、叫び出すよう。今、目の前のあなたを、感動させる!夢中にさせる!絶対に楽しませる!
ある大衆演劇役者さんの3日間。
火曜日の芝居。彼が演じるのは大学教授 (『夜叉ヶ池』)。水曜日の芝居。彼は僧侶崩れの盗人 (『三人吉三』)。木曜日の芝居。彼は腕利きのスリ (『すりの家』)。
「大衆演劇って毎日違う芝居やってんの?!すごいね!」
大衆演劇を観たことのない友人に話すと、必ず目を丸くする。そう、大衆演劇の芝居は日替わりだ。


⇒続きはSPICEでお読みくださいませ



……ひたすらに緊張で冷や汗です(本音)。

【SPICE】はチケット販売会社「イ―プラス」の運営するサイトです。
7/22(水)12:00にオープンしました。
このブログをきっかけに、ありがたい、本当にありがたいご縁が繋がって。
運営の方よりお話をいただくことができました。
「大衆演劇を観たことがない方」に向けて、しばらく案内状を書かせていただくことになりました。

私は本腰入れて観ているのが2012年からなので、まだ3年。
10年20年30年の観劇歴を持つファンがたっくさんいる世界で、私は3年。
私でいいの…か…?!と動揺しまくったし、今もしている。

でも伝えたいことはたしかにあった。
書きたいことはたしかにあった。
だからこのブログを書いてきたんです。

【SPICE】運営の方との打ちあわせ。
若い頃から演劇青年だったという担当の方は、こんな風におっしゃってくれた。

「大衆演劇の芝居っていうのは、これまで全然語られてこなかったと思うんです」
「女形とかイケメンとか、一部だけがテレビに出ることはあったけれども、芝居は全然論じられてこなかった」
「でも、大衆演劇の中には非常に優れた芝居もあったわけでしょう」
「“演劇”という文脈で、大衆演劇の話をする必要があるんじゃないかと…」

誰かが私の記事を読んで。
「へえ大衆演劇って感動するんだなぁ」
「良い芝居やってるんだなぁ」
「観てみたいな」
「観ようかな」
「観よう!」
そんな風に思って、劇場に足を運んでくれたら。
それで、その人が元気になったら。嬉しくなったら。楽しくなったら…

運営の方の言葉に引っ張り上げられるようにして、始めさせていただきました。
(その分ブログの更新頻度は下がると思うのですが…毎回読んでくださっている方は本当にすみません)

何もかも、勉強しながら。学びながら。教えを乞いながら。
頑張ります!

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貴女の時間―千咲凜笑さん(劇団千咲・劇団KAZUMA在籍中)―

もう、そろそろだ。
時計に目をやれば終演の12、3分前。

『百万本のバラ』のイントロが先走って聴こえてくる。
続いて、待っていた人が舞台に滑り出た。
熱を秘めたような赤に、黒レースの手袋が洒脱に映える。
―貧しい絵かきが 女優に恋をした―

劇団KAZUMA唯一の女優さん、千咲凜笑さん。
彼女の時間は、いつもラストショーの一つ手前。

千咲凜笑さん(2015/6/21 個人舞踊『百万本のバラ』)


KAZUMA三吉演芸場公演は、2年ぶりの関東だった。
なので、地元の友人たちと一緒にKAZUMAの舞台を楽しめたこと、感性鋭い彼女たちの評を聞けたことは、何よりの喜び。
「一馬座長ってホントに可愛い人ねー」とか「将さんはカッコいいのにカッコつけてないのが良い」とか「アドリブが多くても物語としての筋を崩してない」とか…
夜の部を観終えて、22時を回った電車の中、延々感想を語った帰り道の楽しさ。
腕利きの写真家である友人が撮ってくれた、将さんの美麗写真には悲鳴を上げた(笑)

そして彼女たちに大人気だったのが凜笑さん。
「ふわふわした笑顔が可愛い」「一生懸命なのが可愛い」「声が可愛い~!」

私自身、凜笑さんの個人舞踊を毎回楽しみにしている。
まず、見た目からしっかりと作りこんであるのだ。
必ず曲の世界観に合う着物。着物を引き立たせる髪飾り。
あどけなさの残るお顔に、曲ごとの感情を引き出しながら丁寧に踊ってくれる。

キラキラ光るベールにティアラ、エキゾチックなお姫様スタイルの『SAND BEIGE~砂漠へ~』。
頭に大きな花飾り、笑顔全開なのにどこか儚い『赤いスイートピー』。
哀しみを指折り数えた後で、“たかが別れじゃないの 泣いてることはない”と客席に微笑んでくれる『夜明け』。

送り出しで感想をお伝えしたいと思うこともしばしばなのだけど、残念ながら凜笑さんは最近なかなか出られない…。
三吉演芸場の千秋楽でようやくお会いできたときは、申し訳なさそうにこう言ってくれた。
「ごめんなさい~、普段はご飯の支度があって…」

あぁ…そうか。
大衆演劇の劇団で、女優さん一人ということの大変さ。
毎日、一人という現実の重さ。

昨年の夏。
凜笑さんは、劇団千咲から千咲大介座長と一緒に、劇団KAZUMAにいらした。
当時は“千咲菜野芭さん”というお名前だった。
近い九州の劇団とはいえ、お芝居のやり方なんかも大きく違うのだろう。セリフも入れ直しなのだろう。
実際、彼女が慣れない役を懸命にこなす姿を何度も観た。
しかし劇団で唯一の女優さんなので、ヒロイン役はほぼ全て回ってくる。
毎日、回ってくる。

昨年8月に遠征したとき、愛らしい女優さんは舞台にいなかった。
前売り券販売時、お客さんが座員さんにスイーツを渡しながら言うのが聞こえた。
「菜野芭ちゃんが倒れたって聞いたから、差し入れ。早く元気になってって、伝えてね」

一客である私には見えないことが山ほどあるだろう。
新しい環境、新しい芝居、新しいショー、新しいお客さん…現実の一つ一つに懸命に身を慣らしながら。
公演後も女優さんの仕事は終わらない。

けれど、舞台は。
彼女が魅せてくれる舞踊は、常々艶やかだ。
―百万本のバラの花を
あなたに あなたに あなたにあげる―

『百万本のバラ』のサビ、三吉演芸場の小さな花道に踊り出る。
黒レースに包まれた指先が、客席の一人一人をやさしく指す。
“あなたに”“あなたに”
お客に。
私に。
彼女が贈ってくれる夢。
女優さんは酔いを含んだ笑みを浮かべて、夢の中から目を開ける。
客席はバラの香ふくらむ世界に、とぷんと沈みこめる。

いつも艶やかに。
いつも手の込んだ衣装・鬘・髪飾り。
新しい芝居を覚えて、ご飯の支度をしながら。
毎日の現実と、毎日の夢。
客席に向けるふわふわの笑顔には、微塵の曇りもない。
「可愛いやろ。けど、芯は強い子や」
常連さんがつぶやいていた。

今年に入ってしばらく経った頃、“菜野芭さん”は名前を変えられた。
凜笑――凜と笑む、と。

藤美一馬座長の口上やインタビューには、大介さんと凜笑さんが来てくれたことへの感謝が繰り返し述べられている。
一ファンとしても、凜笑さんのいない劇団KAZUMAなんて、もう考えられない。
あの笑顔が舞台で花開くと、“凜ちゃ~ん!”と言いたくなってしまう。

(2015/6/28 『赤いスイートピー』より)


ラストショーの一つ前、私は期待しながら待つ。
この時間だけは、客席丸ごと貴女一人のもの。
役者・千咲凜笑の時間。

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